「 むかし みらい 」
一昔前の私達は自然素材の衣を纏い、虫も食べる土つき野菜を食べ、木の家に住んでいました。物には神が宿ると大切にし、人々は結で繋がり、困難は知恵で対処する、厳しくも健全な暮しでした。
現在は人造繊維の服を着て、虫が食べない土の無い綺麗な野菜を食べ、人工材に囲まれた家に住んでいます。物は溢れて使い捨てが当たり前。隣人は知らずともネットで多くの人と繋がり、困り事は機器で解決する便利で豊かな暮しになりました。
しかし人に都合の良い暮らしは、真偽不明の情報や発症不明の病を増やし、ココロとカラダを蝕む結果に。
一利一害を得た私達がなすべきは「昔は未来」と学ぶ事。
先人と現代の知恵が詰まった素材の利用をすゝめ、住まう人の「ココロとカラダ」が整い、衣食住のつながりに気付き健やかに過ごす「きっかけ」のタネを育てる家でありたい。そんな気持ちを胸に素材を厳選しています。
昔からの素材
木
主に固有種、県産材や地域材
- 構造材から目に見える箇所まで、家中に国産材を利用します。
- 原木を歩留り良く使い、木の命を余す事無く利用します。
- 日本固有種(杉)や檜を無垢のまま利用します。
草
国産畳・国産和紙
- 国産畳や国産減農薬/無農薬畳・和紙畳を利用します。
- 壁紙和紙は越前や土佐和紙を利用します(オーダーも預り〼)
- 和紙用接着剤はF☆☆☆☆以上品を利用します。
土
国産漆喰・洗い出し・欧州漆喰
- 漆喰と珪藻土は国産品を利用し、安全が確証されない素材の入った製品は利用しません。
- 左官職人達がコテを駆使し、内・外装の一つ一つを施工して仕上げます。
現代の素材
木・炭+ポリエチレン
断熱材
- 内断熱はダンボール又は新聞等木質原料セルロースファイバを利用します。
- 外断熱は軽量で断熱性能の高いEPS+断熱塗料を利用し、内側と外側合わせてトリプル断熱を利用します。
アルミ・樹脂
遮断熱材・窓材
- 遮熱としてアルミシートを適所に利用しEPSと併用、遮熱+断熱=遮断熱で熱の侵入と保温効果を高めます。
- サッシは複合アルミ・樹脂のペアガラス及びトリプルガラスを利用します。
イオン交換樹脂
軟水器
- 1台で家中の生活水が肌に優しい軟水となります。
- イオン樹脂と濾過材でマグネシウム・カルシウム等・塩素を微小にします。
素材を選ぶ理由
「遮断熱」
異常気象は今年だけ、他国だけではありません。人為起源が速めた気候変動には人が考えた素材と技で適応すべきです。
高断熱に遮熱を合せた遮断熱工法は、断熱性能の高効率化と優れた透湿性で、家の癌「結露を抑制」家を守ります。
「固有種」
所変われば品変わると言い、環境や生活スタイルは様々です。
日本は四季があり靴を脱ぐ生活、靴を履いたまま生活する国の材との違い、粘りと柔らかがあります。「足の裏で感じる温もりと心地良さは固有種」ならではです。
「頑張らない省エネ」
製造エネルギーを使い作られた便利な品を買い集め、電力消費の増大を続ける暮しは何の為?
電力は作り使う前に、抑える行動が基本と考えます。遮断熱+自然素材+必須設備で熱を調整し、快適な家での丁寧な暮らしから「電力を削減」します。
「エシカルな消費活動」
国内伐採木は主に合板やチップ燃料に加工され、製材利用はわずか30%です。先人が1本づつ手植え守り育て、伐採齢を迎えた木の正しい消費でしょうか?
同じ国で生まれ、木の恩恵を受けて育ち、木の命をいただき活用する者として「製材消費を高める家造り」を実行しています。
「衣(医)食住を繋ぐ」
衣(医)食住は繋がっていると頭ではわかっていても、実感する人は少ない。ただし私達は「一つに気づくと次々と気づく」力を秘めています。「本物の素材」をふんだんに使う住まいから、食や衣(医)を考えるきっかけをつくり、心と身体が求める本当に必要なモノを見つけていただきたいと考えます。
「伝統を紡ぐ」
家造りは数多の職人の技と知恵の集大成でした。しかし僅か50年あまりで新建材と工具で組立てる家ばかりになりました。
活躍の場が無くなれば職人と共に技も品も消滅します。「手仕事を残す家造り」を守り、伝える事で次の世代へ技を残します。