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一念の一年
皆様、今宵はいかがお過ごしでしょうか?
民家工房常栄の現場ブログです。
東日本大震災からちょうど1年経った日から一夜が明けました。
今回は、現場の様子のご紹介はお休みして、震災に関することを綴りたいと思います。
私は昨年8月、水路のヘドロ掃除のボランティアのために岩手県の陸前高田へ訪れました。 河川から2キロほど離れたところに位置する集落を横切る水路に溜まった汚泥を およそ100名のボランティア参加者と共に1日がかりで清掃したのです。
現場にはまばらに家が点在していたようですが、その家々
はすべて流され、基礎部分だけが残されていました。
ある家の高基礎には「こわして下さい」と書き込まれていました。この家の主が、書いたのでしょうか?
あつめられた瓦礫の山です。そうとうな量がかき集められています。
それでも道路脇には、まだ瓦礫が数多く残されていました。
唯一残された木造建物も、流されはしなかったものの倒壊しています。
海の方角に目を向けると、あの一本松が力強く立っていました。
そして一昨日、3.11の前夜に私は市民団体の方たちと共に厚木市文化会館にて、原発ドキュメンタリー映画「ミツバチの羽音と地球の回転」の上映会を開きました。
当日は、原発実録の第一人者である鎌仲ひとみ監督をお迎えしてのトークショーも行なわれました。
作品は、28年のも間、原発反対運動を行なっている人々が暮らす瀬戸内海の祝島(いわいじま)と、自給自足でエネルギーを賄っているスウェーデンの村とが舞台となっています。
お陰様で会場は満員御礼。上映終了後もアンケートによる沢山の反響を頂戴しました。
日本全体が前に向かって歩まねばならぬ時、多くの人に何かを感じて行動するきっかけになれたらと思い、私たちはこの上映会を震災直後から計画してきました。
時代はライフスタイルをシフトチェンジする時に差し掛かっています。
私自身も、何が本物かを常に考え、建築業という立場から、人間が本来あるべき生活スタイルへのお役立てができたらと考えています。
震災から1年。亡くなられた方々のご冥福と1日も早い被災地の復興を心より一念しております。
【山上義明】